看護師確保・活性化の
取り組み事例紹介Recruiting, Cultivating, and Activating nurses

看護師不足による
病床縮小を回避せよ!

ここでは、ある病院の事例(東日本)を紹介します。

こちらの病院では経営の悪化が新聞に載ったことで、看護師の離職が加速しました。さらには医療職員の給与カットを決断したため、看護師のさらなる離職が予測されていました。

看護師不足による入院基本料の引き下げ、患者の受け入れ制限、看護師の平均夜勤時間も72時間ギリギリ、働く看護師の方々の負担や不安は増すばかり、目の前の1日1日を乗り越えていく事で精一杯…

そんな日々からの始まりでした。

こんな方向けのサービスです

看護師の不足が深刻化している病院は増えているように感じます。看護師不足は、休床や入院基本料の引き下げなど、経営に影響を及ぼす重要事項です。看護師確保にお困りの病院向けのサービス紹介です。

プロジェクトチームの結成

まずは多職種で構成されたプロジェクトチームが立ち上がり、その中で看護師確保のためのワーキンググループ(以下W.G.)が結成されました。W.G.は看護師で構成され、看護部の皆さんが中心になって看護師確保に取り組んだという点も非常にキーになったと思います。
そして「看護師の確保に全力を注ぎ、休床中の病棟を開棟する」という方針のもと、総力をあげて取り組みました。 様々な取り組みを実施、1年間でなんと24人の看護師を採用することができました。そして今現在も応募に関する問い合わせが来ている状況が続いています。
同時にプロジェクトチームの看護部以外の多職種メンバーの方々から「病院全体で看護部を支えよう」と声が上がり、ポスター作成、パンフレットの編集、写真撮影、動画の制作と積極的に協力して下さり、病院の皆様の実行力が本当に素晴らしかったです。
看護師の確保を事務の仕事、看護部の仕事と他人事にせず、病院全体をあげて取り組んだことで導き出せた成果だと言えるでしょう。

「一緒に働こう」と言える内部の雰囲気づくり

この視点は今回の取り組みにおいて最初から重要視していました。自院への応募を考えた人がいたときに、もしかしたら現在働いている自院の看護師に「どう?」と聞きにくるかもしれません。その時に「うちはやめた方がいい」と言ってしまったら、取り組みの意味が台無しになってしまいます。働く看護師の1人1人が看護師確保についての当事者意識をもってくれること、もし聞かれたら「ぜひ一緒に働きましょう」といえる雰囲気をつくることを意識しました。

あわよくば周辺で就職先を探している看護師がいたら、積極的に当院を紹介しくれるような意識になってくれることを願い、今現在、自院で働く看護師の方々に訴求すること、という点を非常に大切にしました。

ただ、実際に働く看護師の方々にアプローチできるのは我々コンサルタントではなく、内部の看護師の方々です。看護部長、副看護部長はもちろんのこと、病棟師長にもヒアリングを行い、看護師の確保を病院を上げて行っていること、ただ、看護師の皆さん1人1人に当事者意識を感じて頂けるにはどうしたらいいかということを意見交換しました。

W.G.の看護師の方々をはじめ、病棟師長の発する日々の発言や姿勢が内部の看護師の方々に影響を及ぼす、その効果をまざまざと感じた1年間でした。チラシ配りには、病棟師長が率先して参加し、看護師の応募が全然来ない時に流れるネガティブな空気を払拭しながら、とにかく前を向いて取り組みました。

発信力

そして、具体的に何をやったかという事ですが、まずとにかく当院で看護師を募集していることを知ってもらう、そのための発信をどんどん行うこと(あの手この手)がとても重要でした。ハローワークやホームページに載せて待っているだけでは、なかなか多くの人に届きません。それらの方法では相手のアクションを待つことになります。アクションを起こしていない方々の目に触れ、心を揺さぶるようなそんな発信力がなにより重要だと感じます。

院内・市内にポスターを貼り、定期的に張り替える、市内放送をながす、全戸配布の広報誌に載せる、市役所でショートビデオを流してもらう、就職説明会に参加する、スーパーや薬局前で許可を頂いてチラシやティッシュを配るなど、思いつく限りのことを実行しました。そのどれもがつながり、紡いだ結果だと思っています。

次の目標

看護師の確保の取り組みに終わりはありません。次は新卒採用の強化と潜在看護師の方々へのアプローチを強化していきます。

新卒採用に関しては、取り組んだ年度に効果を出すことが難しいので、2年目~3年目をターゲットに1年目から動いていました。看護学校訪問はもちろん、看護学校でプレゼンを行う時間もいただきました。実習病院なので、看護実習生に対する接遇に関し、W.Gの看護師が看護部教育委員会と協力して啓発活動を行いました。看護学生のあいさつに対しあいさつを返さない、パソコンをみながらなどの「ながら」あいさつをしていたような雰囲気から、たった1年後には看護学生のあいさつに対し、病棟看護師さんが作業している手を止め、立ってあいさつをかえすという当たり前のことが当たり前になりました。

看護部のパンフレットも見直し、業者に発注せず手作りで仕上げました。例年では多くても、奨学金枠2名の新卒応募程度でしたが、2年目にして、なんと新卒6名が応募してくれました。

そして、同時に潜在看護師の方々へのアプローチを行っていきます。自院の看護師が確保できるということだけではなく、地域の医療機関でも看護師の不足が深刻化している病院、クリニックもあると思います。そういったところへも看護師の方々を紹介できるような、そんな取り組みをしていく事ができたら、という事で、潜在看護師を対象にした研修会を実施しています。この活動が地域貢献にまで広がっていくと考えています。

さいごに

看護師の確保をあきらめてはいませんか?もし看護師の確保に苦労しているのであれば、まずはご相談ください。あきらめるのは、まだ早いです!

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